2015年5月2日土曜日

ワイルド・スピード SKY MISSION


最高の予告編、最高の映画

監督:ジェームズ・ワン
原題:Furious 7
上映時間:138分
パンフレット:720円★★★★☆(ポール・ウォーカーの死から映画を中止しようとしていたエピソードにとどまらず色々な製作秘話があっておもしろい。欲を言えば、もうちょっといい絵の写真がほしい)

ワイルド・スピードシリーズは、2作前の「MEGA MAX」と1作前の「EURO MISSION」は見てます。それまでのシリーズを見ていなくても、脳みそがドーンと吹っ飛ばされる楽しさがあって、「これぞ、私の憧れるアメリカ!」って感激できるので好きな作品です。
今回の「SKY MISSION」、事前に数回予告編を見てたのですが、スカイダイビングをする自動車の絵に「さ・ささささいこーーー!」と予告編で既にテンション馬鹿あがりしました。ちょうど初めて予告編を見たのが、「96時間 レクイエム」というシリーズを減るにつれ面白さがどんどん目減りしている作品だったこともあり、鑑賞後に映画の面白いところを思い出そうとしたら「SKY MISSIONの予告編、最高だったな」とそれしか思い浮かばなかったほどでした。ただ、予告編でスカイダイビングやギリギリ崖サバイブやド派手なパーティなどなど良いシーンを見せすぎだったので、「これ以上のシーンがあるのだろうか!?」と心配もありましたが、予告編では確認出来ていなかったアブダビでのフェラーリの2段階ツッコミなどありえない絵に思わず笑いがこぼれてめっちゃ興奮しました。あと予告編で見たシーンも本編で見るとまた格別に面白い。公開がはじまってしまったので、あの予告編が劇場で見られなくなるのが残念だったりもします。
私がいままで見た「ワイルド・スピード」と比べても、今作は脳みそが空っぽになる馬鹿さとカッコよさの要素がはずば抜けていて、終盤ヴィン・ディーゼルの投げた手榴弾の詰まったズタ袋が飛行機の足元にひっかかってドカーンとする展開までこの作品の陽性的要素を存分に満喫しました。
なので、全ての戦いが終わった後、海辺で語らうファミリーたちの絵から今作が実はポール・ウォーカー追悼作品でもあったと気が付き、意表を付かれすごい感情の落差で号泣メーンしてしまいました。何も言わず浜辺から立ち去るヴィン・ディーゼル、「さよならも言わずに行くのか」と彼を追いかけてくるポール・ウォーカー、違う道を選び遠く離れていく二人の車の空撮。新しい家族をもつために戦いを離れるワイルド・スピード上のポール・ウォーカーと現実世界の自動車事故で急死したポール・ウォーカとの別れがオーバーラップしました。ワイルド・スピードの作り手はアイデア一発を絵にするためにはプロセスは問わないようにも思っていたのですが、ポール・ウォーカーの死後にこのエンドマークをつけたことを思うと、愛があるしうまいなぁとも感心しました。序盤からずっと各登場人物が「もう誰の葬式にも出たくない」と言ってた台詞も思い出され、今作品がどれだけポール・ウォーカーを悼んだ作品かが伝わってきました。この作品が作り手からも観客からも愛されている作品だと感じることができ、いままで見てこなかった旧シリーズも見たくなりました。