2015年5月23日土曜日

ゼロの未来

家で仕事したい、いや仕事したくない

監督:テリー・ギリアム
原題:The Zero Theorem
上映時間:107分
パンフレット:700円★★★☆☆(監督インタビュー、笑い声の表現が「わはは!」であるところに、吉田豪っぽさを感じる)

テリー・ギリアム監督作品、今回はじめてみました。ライムベリーというラップアイドルの曲で「テリーギリアムより気になるサブリミナル」というリリックがあるので、どんだけサブリミナルはいっているのかなと思ったんですが、気付けなかっただけかサブリミナルはそんなになかったように感じました。
この映画、見終わったらとにかく仕事を辞めたくなりました。そして、同時に元気が沸いてきました。なんでかなと思ったんですが、この映画、サラリーマンが在宅勤務を経てリタイヤする話とも読み取れるからなのかもしれません。主人公コーエン演じるクリストフ・ヴァルツが自宅で鳴る電話が気になるという理由で在宅勤務を希望し、「ゼロを証明する」という謎の仕事請け負うかわりに在宅勤務を許されたが、だんだん自身の調子が悪くなってきてパソコンや電話を叩き壊したりし、色々あって最終的にはボス役のマッド・デイモンに「キミはもういらない」と言われる。最後、マッド・デイモンに見放された時になんかうれしかった。会社から見放されるって、絶望的にもとれるけどこの映画の中では「あ~、解放された!」と感じられました。
映画の中での近未来は、液晶宣伝広告が人を追いかけたり、ピザの箱を開いた途端に宣伝BGMが流れたり、パーティでイヤホンで各人が個別に音楽を聴いて踊っていたり、さまざまなことが禁止されている標識がたっていたりと、ちょっと未来表現にレトロさを感じました。途中に出てくるアダルトサイトとそれを楽しむためのコスチュームはそのデザインだけをみると全然未来感ないのですが、なんかそこにかわいらしさを感じました。レトロさのある未来表現はかわいいっていうことなのかなぁ。。。その懐かしさに心をくすぐられるのかもしれません。